設計の自由度が上がった落雪防止屋根
このお宅の屋根材は当初、傾斜屋根用の板金製の落雪防止屋根でしたが、実際にはある程度の積雪量を超えると、表層ナダレのように雪がこぼれ落ちるのが難点でした。
敷地が広くなくて、落雪スペースの少ない市街地では、これまで様々な無落雪屋根が作られて来ましたが、何かしら短所があって、かねがね必要悪と言ってきたものです。
この写真は、ウェルピアのモデルハウスにも採用しているのと同じタイプの屋根材に葺き替えている途中の写真ですが、傾斜屋根の、近隣との雪のトラブルに悩んでいる方にお奨めです。
ところで、今公開中のウェルピアモデルハウスの、真冬の工事中と春になってからの写真を並べてみました。
屋根の積雪量は常時この程度。しかも冬中注意して見続けていたのですが、とうとう屋根の雪は、一度も落ちませんでした。ご覧の通り、北向きの玄関入口で、雪の落ちる方向の下にカーポートを設置してあります。
つまり、この屋根材を使うことによって、設計の自由度が著しく向上するのです。
長年、設計段階で、敷地と隣地との距離関係や、雪の堆積場所や駐車スペース、積雪荷重や屋根の排水ルートなど、さまざまな制約の中でプランをこしらえてきたものですが、傾斜屋根の場合の制約は、とても少なくなったのです。
シンプルモダン系のスクエアな屋根には使えませんが、三角屋根のフォルムが好きな方、小屋裏を利用できないか考えている方などには最適だと思います。もちろん冒頭の写真の例のように、落雪トラブルで困っていてリフォームしなければと思っている方にも朗報です。
ただし、たとえば札幌市の確認申請上の取り扱いは、無落雪屋根ではなくて、落雪防止屋根となっています。似た名称で紛らわしい、どこが違うんだ?というツッコミが来そうですが、それは私にお問い合わせください。