ウインドオーケストラ
昨夜、西区の「ちえりあ」ホールに、北海道吹奏楽フェスティバルという演奏会を観に行ってきました。
指揮をしているのは、時々一緒に仕事している、フルーティストでもある建築家の畠中氏です。
日本では吹奏楽というと即ブラスバンドを思い浮かべるでしょうが、弦楽器以外の木管及び金管楽器が中心のアンサンブルをウインドオーケストラと言って、一般的なクラシック音楽なども編曲して演奏したりします。
日本ではブラスバンドの演奏者の裾野は、いわゆるクラシックのそれとは、実は比べ物にならないくらいに広くて、会場には大勢の中学生や高校生も聴きに来ていました。でも、クラシックと同じように、わが国では、とてもプロとして食べてゆける環境にはないのが実情です。
この舞台に居る人たちは、それなりの経歴を持つ札幌の数少ないプロ奏者の集まりなんですが、彼らにして、こうした本格的な舞台に載って公開演奏するのは初めてだったんです。
音楽がなくても生きては行けますが、暮らしの中に音楽がある社会の方が、どれだけ平和で豊かな気持ちになれるかは、言うまでもありません。
近頃、タイガーマスク現象とでも言うしかない、奇妙な社会現象が巻き起こっています。国の制度が行き届いていないからとは言え、何かおかしい。ネット社会になってから顕著な匿名性に違和感を覚えるのは私だけでしょうか?テレビで、贈り物をした人が、良いことをするのを人に知られたら恥ずかしいと話していました。悪いことをしたら恥ずかしいのが本来のはずですが、恥を恥とも思わない大人が増えた結果なんでしょうか?いずれにしても、善意や美徳の心が、この国では匿名の陰に隠されつつも、まだ存在していることを、喜ぶべきなのでしょう。
ステージで最後に演奏されたバッハのパッサカリア(原曲はオルガンなので、畠中氏の編曲は音色的にも上手くいっていたと思いましたが)を聴きながら、そんなことを考えていました。